Webマーケティングにおいて必ず押さえたいKPIの考え方
これまでの記事では、Webマーケティング施策の種類や実例についてご説明してきました。
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今回は、Web戦略を成功に導くために身につけておきたいKPI設計方法を紹介していきます。
KPIとは?
KPIとはKey Performance Indicatorの略称で、日本語に訳すと「重要業績評価指標」という言葉になります。
個人はもちろん各部門・部署の業績を定量的に評価するための指標として設定されるもので、現状把握や改善に活かすことができるように目標に対する進捗状況が明確化できる指標であることが求められます。
KPIと一緒にKGIが語られることが多いですが、KGIはKey Goal Indicatorの略語でもっとも重要な指標で、いわば「ゴール」にあたるものの達成度合いをはかります。KPIはKGIを達成するための中間プロセスにおいての状況を測るための指標です。最終的な目標(KGI)を達成するためには、それぞれに中間指標となるKPIをもうけ、その達成度合いを見ていくことで、どこがどれだけ作用しているのか、何がたりないのかを数値化して見ることで、改善をはかることができます。
KPIとKGIの立て方

KPIや施策を組み立てるにあたっては、「ロジックツリー」などをつかって洗い出しをしながら考えていくとよいでしょう。
まず、KGIを決めます。目標とするゴールを設定しましょう。
そしてそのために必要な指標をロジックツリーなどで決定していきます。
具体的な例を紹介します。
A社はWebでの集客に悩んでいました。いろんな施策をしても売上が上がりません。2020年4月に設定された、オンライン売上を20%向上させる。という目標に届く兆しが見えませんでした。そこで細かく分析をしました。
売上は顧客数と顧客単価のかけ算です。顧客単価をいきなりあげるのは難しいので、顧客数に着目しました。顧客数を向上せさせるためにさまざまなオンライン施策を行っていたのでしが、ツールを使って分析したところ、「ターゲットワードでの流入数が少ない」「申し込みページの離脱率が低い」ことがわかりました。
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そのため、KGIを「オンラインの売上を20%UP」、KPIを「SEOによる訪問者数9%UP」「申し込みページの離脱数を5%改善」に決定しました。
ここで大切なのは、KPIを達成することで、KGIが達成するかどうかです。上の例で、SEOの改善により訪問者数を9%UP、申込ページの改善により離脱率5%改善とKPIをたてた場合…
現状:
訪問者数100×(100%-離脱率50%)×顧客単価2,000円=10万円
↓
目標:
訪問者数109×(100%-離脱率45%)×顧客単価2,000円=約12万円
つまり、KPIを達成すると、売上20%UPとなります!
このようにKPIをこつこつと積み上げて施策を考えていくことで、最終的な売り上げが見えてきます。指標を明確にしていくと、Webマーケティングをやるうえでのモチベーションにもつながってくるのではないでしょうか。
KPIから施策の洗い出しをしよう。

KPIを設定したら、各KPIを達成するための施策を洗い出していきます。
ターゲットワードでの流入数を増やすためには…
・ターゲットワードの見直し(検索ボリュームが多いワードへの変更やワード追加)
・HTMLタグの見直し(H1、H2タグの見直し)
・コンテンツ内の文言の見直し(ワードを増やしたり、文章を変えたり)
・スニペットやタイトルの見直し(検索結果のCTR改善) など
申し込みページの離脱率を改善するためには…
・フォームの入力項目の見直し
・住所の自動入力化 などの、エントリーフォーム最適化の実施 など
KGIとKPI設定の注意点

KPIは実際に行う施策の内容をふまえて、具体的かつ実行できる内容かどうかを考えながら設定していきましょう。影響の大きいものから優先順位をつけて施策を行っていくことで、効率的にPDCAをまわしていくことができます。
また、リスティング広告などでよく陥ってしまうのが、「CPA」のみを成果指標として見てしまう(KGIとしてしまう)こと。CPAを死守したいがために、CV数の増加施策が打てなくなってしまうことがあります。「CPA」はあくまでKPI、指標のひとつと捉えたほうが良いでしょう。
大切なのは最終的な「目標」が達成されるかどうか。
KPIは最終的なゴールである「KGI」を達成するための、「中間指標」にすぎません。KPIが達成されたことで満足しないようにしましょう。場合によっては、KPIが目標の数値に達成してもKGIにつながらない可能性も考えられます。そのため、つねに「KGIを達成するために、何をすれば効果があるのか」を考えてKPIの設定を行っていくことが重要です。
KPIをもとに施策を組み立てたら、実際に実行してみてそれが当初の目標とどの程度差異があったのかといった結果を見て、PDCAをまわしていってください。コツコツと施策を積み重ねていくことで、目標達成に近づいていくと思いますよ。
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